すごくまとも

まともな人間でよかった

ねむれない人として「ねむらない樹」を読んだ

まだねむれない

入院生活のお供に短歌ムック「ねむらない樹」がおすすめだという話です。

先日から私は体調不良により入院しています。(ご心配いただくようなことはありませんので大丈夫です!)状態が落ち着き、外出もできるようになってから、たまたま書店で見つけた「ねむらない樹」。何日もかけて休み休み、気の向くページから読みました。

読んでみて、しんどく感じず、心が安らいでいくことに驚きました。集結したみなさんの作風でしょうか。当然重たいテーマも歌われていますが、毒のない、きらめく言葉たち。笹井宏之作品のムードが大切にされている一冊だと感じました。短歌以外にも様々な企画ページがあるので、読み物としても楽しいです。サクッと何か読みたいとき、がっつり摂取したいとき、気分に合わせてページを選べます。おかげで杉﨑恒夫に出会えたし、歌人の日常を覗けました。

私の個人的な感想を続けますが、短歌が好きでも、読むとストレスを感じるような短歌もあります。しかし笹井ワールドは私にとって負担になりにくく、逆に、自分が閉じ込めてしまいがちな感情に光を当て、解放してくれるものなのかもしれない。「ねむらない樹」には、心のリハビリにもってこいの短歌が詰まっています。全体的にやさしさの短歌でまとめられている点が総合誌にない特徴だと思います。この方向性で続けてほしいです。「若い歌人たちの受け皿」というテーマも嬉しいものです。特に好きなものを引用します。

 

知り合いの中で一番イケメンの後輩がよく使うスタンプ/法橋ひらく「湖」

おなじ土俵ちがう土俵が重なってベン図をつくる そこで会えるよ/石井僚一「海と靴」

泡のように エレベーターは上昇しその間だけ話ができた/原田彩加「文字もあなたも」

エディオンをイオンの韻を踏む位置に眺めながらお料理ができますよ/岡野大嗣「大きな過去が左へ進む」

 

ちなみに読者投稿欄の募集が始まっています。笹井宏之賞は50首なのでハードルが高いですがこちらは1首から。よくばりさんは両方応募しましょう。みなさんも樹になってみませんか。