すごくまとも

まともな人間でよかった

【未来掲載短歌】2018年11月号

未来2018年11月号掲載

夏、精神科

タイムラインたどってゆけば友達の「宇宙は酸っぱい」というつぶやき
点滴の落ちる速度は涙よりはやく、からだにひたひた溶ける
あの人の赤マルソフトが落ちている いくらかはもうわからないなあ
写りこむ自分の影をトリミングする前にフィルターかけてみる
二十三歳のしちがつはちがつを入院療養のためにつかう
本物のガラス 作り物のカラス 窓の大きな精神病棟
ぬり絵しましょうと誘われひたむきにぬってた常識的な色を
増やされた薬は月に似ています 光加減がとてものどかで
あなたとのはっきりしない関係もこの夏だから許されること